◆過激に進化する人類◆2005.03.01.
今朝、電車に乗ったら前に座っていた奥さんは グレーのダウンジャケットに普通のジーパンのごくごく普通の奥さん。
そのお友達たちもあとで「特徴は?」って聞かれても答えられないほどのごくごく普通の奥様方。そんな奥さんがつれていた一人の2歳くらいの女の子もまたごくごく普通のミニーマウスのワンポイントがついたピンクのダウンジャケット。しかし、そんなごくごく普通の幼女がかぶっている白地のニットキャップの額にデカデカと黒いドクロマーク!(図1参照)
ここ数年、子供服界にドクロやら竜の刺繍のスカジャンやら、今でこそ定着したアイテム。 昔、私がまだ10代の駆け出しだったころ、仕事を探していた時に「子供服のデザイナー」という職種があり、デザイン画を数点持って、面接に行ったことがある。
まだ10代の、世間的、社会的常識なんて持ち合わせていない私は、 自分がカッコイイと思うデザインを面接官たちに突きつけた。彼らは「・・・・・」顔をしかめる者、苦笑いする者、「えーと・・・、我々は子供に夢を与える仕事でして・・・、
たとえばこういった・・・」と一人のおっさんが言いながら、パステル調な薄い水色やピンクが基調なゾウが鼻で風船をもちながら空に浮かび、そのまわりを鳥たちが飛び回ってる絵や、アヒルの親子らしき呑気な絵を延々見せられ、「なのでこういったガイコツはちょっと・・・」と、苦笑いされながら言われ、自分も「あ!俺、今とんでもない場違いなとこで、とんでもないトリッキーなことしてる!!」って、10代だった俺でもさすがに気づき、「ですよね・・・」と言い残し、帰った。(図2参照)
あれから数十年経った、21世紀。 ロボットは街を歩いてないし、車は宙を浮いてないけど、子供服にドクロやパンキッシュなデザインの物なんて、まったくめずらしくない時代。
当時は金髪にしただけで、街ゆく人全員が「わ!!金髪や」って顔で、見てた。 何事にも驚かない、何事にもたいしたことない時代。だからこそ目立つためにさらに過激にエスカレートする。よく近未来物のアニメやら映画なんかで、露出度の高い衣装に身を包むヒロインなんかが出てきてたけど、昨今、街中でよく目にするローライズにパンツ見せファッションやあげくに「見せパン」やら「見せブラ」なんて、今から20年前に誰が想像しただろう。
いや、実はそんな話をしたかったんじゃなくて、物忘れがひどい昨今なんですが、その今朝の電車の中でその女の子が「アリエルに出てくる魔女が好きー」という話をしていた。「アリエルって誰やったっけ?俺はよく知ってるぞ。10回前後はそのアニメを見たぞ。誰だっけ?ジブリか?ジブリ作品のなんかだったかな?えーと・・・ラピュタのヒロインの名前が出てこない・・・。ラピュタだっけ?でも魔法使いなんか出てなかったぞ?あー、誰だ?」ずっと朝の通勤時間、それが誰だか気になってしかたがない。でもまったく誰だったか出てこない。そしてさっき、やっと思い出した。
あースッとしたー。 |
図-1:たしかこんな帽子
図-2:上記の絵は適当にマウスで今描いたやつだけど、当時描いたやつはちゃんとしてたよ!
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